看護師が将来目指せるキャリアプランとは、どのような選択があるのか?
看護師として働きだして3年後、5年後どのようなキャリアを積んでいくのか?
看護学生の皆さんが気になるところかと思います。
看護師はキャリアアップの選択肢が豊富な職業です。
例えば実務経験を積むことで現場のエキスパートも目指せますし、自分の目標次第で看護師から幅を広くしてほかの医療系資格を取得することもできます。
そして本記事では、看護師が目指せるキャリアプランの具体例と、看護師で働くイメージを勤務年数ごとに紹介。さらに目標を実現するための具体的な対策も解説します。
看護師を目指している人の、可能なキャリアや看護師になってからのイメージを掴むことで将来の目標立ての参考にしてみてください。
3つの看護師のキャリアプラン例
看護師になったらどのようなキャリアプランが目指せるのか、大きく3つに分類しました。
- 医療現場のジェネラリストを目指す
- 医療現場の特定分野におけるスペシャリストを目指す
- 看護師免許をいかして取得可能な資格をとる
以上の3つは主に看護師が将来目指せるキャリアです。詳細について説明します。
ジェネラリスト
ジェネラリストは、医療現場のエキスパートです。
特定の分野に特定せず、豊富な知識や経験をもとにさまざまな医療現場で臨機応変に現場の対応をおこないます。
ジェネラリストの特徴
- 現場の管理者的立場
- 看護師として幅広い知識を身につけている
- 特定の分野に特化しているわけではない
医療現場でのジェネラリストとは、資格を取得することは特に必要ありません。
しかし、医療現場においてのジェネラリストに興味があるのであれば、さまざまな診療科がある病院や、総合病院などで実務経験を積むと将来活かせる技術や知識を身につけられるでしょう。
スペシャリスト
スペシャリストとは、医療現場における専門分野のエキスパートです。具体的には認定看護師と専門看護師2つの資格取得が目指せます。
看護師免許取得後に資格を取得しようと思うと以下のような流れが取得方法です。
看護師免許取得後の資格取得方法
看護師資格取得後 | |
認定看護師 | 看護師の実務経験5年以上(そのうち3年以上は認定看護分野)
↓ 認定看護師教育課程終了(1年で800時間程度) ↓ 認定審査合格 ↓ 認定看護師登録 |
専門看護師 | 看護師の実務経験5年以上(そのうち3年以上は認定看護分野)
↓ 看護系大学院修士課程終了 ↓ 認定審査合格 ↓ 専門看護師登録 |
なお、両者の大きな違いとして、医療現場での役割が異なるほか、専門分野も異なってきます。
ご自身がどのような分野でどのような看護のスペシャリストになりたいのかも検討する必要があります。
専門分野の資格取得
看護師は、看護師免許をもっていることでほかの資格を受験することが可能になります。
看護師が目指す資格として、ケアマネジャー、保健師、助産師などがあげられます。そして看護師免許取得後に資格をとる方法は以下になります。
看護師資格取得後の資格取得方法
看護師資格取得後 | |
ケアマネジャー | 看護師としての実務経験5年以上
↓ ケアマネジャー試験 ↓ 介護支援専門員実務研修 ↓ ケアマネジャー資格取得 |
保健師 | 保健師養成学校(1年)または看護大学保健師養成課程へ3年次編入
↓ 保健師国家試験 ↓ 保健師資格取得 |
助産師 | 短大・専門学校・大学院で助産師過程を学ぶ(1年~2年)
↓ 助産師国家試験 ↓ 助産師資格取得 |
補足になりますが、看護系大学で保健師課程または助産師課程を取得されている人は、改めて養成学校などへ行く必要はなく看護師免許取得後すぐに国家試験を受験することができます。
ケアマネジャーは主に介護現場、保健師は行政機関の保健所や学校の保健師、助産師は、産婦人科で活躍されています。
ご自身の過去の経験や興味をもとに資格取得を検討していくことをおすすめします。
経験年数別でキャリアプランを考える
社会人として働き出すと、経験年数ごとでできる仕事内容や将来のキャリアプランの道もかわってきますよね。
働きはじめ学ぶことが多い1年目、実務経験を積み新しい役割も増える3年目、経験と今後のキャリアの方向性に悩みがちな5年目について、看護師として働いてみるとどうなんでしょう。
それぞれ看護師歴ごとの状況を詳しく見ていきたいと思います。
看護師歴1年目
看護師1年目は、医療業界において身に着けたい社会人としてのマナーや仕事への取り組み方、先輩看護師から指導を受けながら看護業務を覚えていく時期です。
具体的な例として、日本赤十字社公式サイトによる新人看護師の到達目標を示した資料が以下になります。
新人看護師の到達目標
- マニュアルを見たり助言を受けながら日常ケアに必要な基本的知識を活用し優先度の決定ができる。
- 看護者の倫理綱領を知っており対象を一個人として尊重できる。
- 自分の役割と責任を認識しながら自分の能力を超えた看護が求められる場合には、支援や指導を自ら得たり業務内容について相談できる。
- 倫理的ジレンマに陥ったとき赤十字の原則に基づいて行動しようとしている。
看護師1年目は研修、マニュアル、周りからサポートを受けながら看護業務を覚えたり、知識を増やしています。
業務習得だけではなく、医療業界で働く責任や使命なども学んでいきます。
学ぶことが多いこの時期は、現場に慣れ1人立ちできることが大事ですので、転職を考えたり、あらたな専門分野を習得するにはなかなか難しいときかもしれません。
看護師歴3年目
看護師歴3年目ともなると、今までの実務経験をもとに自らの判断で業務遂行し、新人教育の機会も増える時期になるでしょう。
看護師歴3年目の看護師に求められることとして以下のような例があげられます。
看護師歴3年目の看護師像
- 新人看護師に教育や指導をおこなう
- あらたな業務を任せられる機会が増える
- 現場のリーダーとして判断力も求められる機会が増える
新人看護師をマンツーマンで教育する指導的立場をプリセプターといい、医療現場での知識や経験を積んだ3年目以降で任せられることが増えていくでしょう。
なお、プリセプターになるために必須の資格はありません。しかし看護職として知識、看護技術、看護師としての取り組む姿勢、教育指導力が必要となってきます。
看護師歴3年目は、新人看護師への教育に興味があれば現場でのエキスパートを目指す。
あるいは3年の看護師歴をもとにあらたな目標を見つけるなど、それぞれの価値観による選択ができる時期ともいえるでしょう。
看護師歴5年目
看護師歴5年目は、業務経験豊富であり、後輩看護師の指導だけではなく評価もしていく立場が増えていきます。
看護師歴5年目の看護師に求められることとして以下のような例があげられます。
看護師歴5年目の看護師像
- 新人教育計画の立案をする
- 新人の目標を設定し達成できるよう支援とその評価を行う
- 新人看護師の集合研修における指導者的として参加する
- 看護実践者の役割モデルとして患者の状況に応じた看護実践から後輩への指導や評価を行う
看護師歴5年目では、サポーターという役割を任せられる人もでてきます。
サポーターになるためには資格取得は必要ないですが、看護経験がおおむね5年目以上で、医療現場での知識、技術が優れているほか指導者として役割や向上意欲が必要になってきます。
看護師歴5年目ともなれば知識、経験も豊富になるので、今の現場でより管理者的な立場を目指す。
今までの経験を活かしてより待遇面のよい現場への転職を試みる。
今までの経験をもとに新たな分野での資格取得へ挑戦など、さまざまな道が選べる立場になっているといえるでしょう。
目標を達成するためにやるべきこと
看護師として目標達成するためには日々の生活においても意識して行動する必要もあります。
- 自己分析をする
- 知識や情報収集
- 知識や情報収集
- 資格を取得する
目標達成のためには、自分と向き合うことや、日々の積み重ねで学んでいくことが不可欠になりますよね。それぞれについて説明していきたいと思います。
自己分析をする
看護師を目指す人にとって自己分析をすることは大事です。
自己分析は、看護師を目指している時点でおこなうと面接対策として実際に就職活動をしているときに役立つでしょう。
また働きだしてから転職を希望するようになったときにも、転職活動もスムーズにおこなえるので重要です。
具体的には、紙やPCに書いてまとめていくことで表面的なことだけでなく、心の底から思っていることもあらいだしていきます。
自己分析をおこなうことでこのような仕事は割と得意だけど、この作業は苦手、不向きなどや次の転職先に求めたい条件などが明確になっていくでしょう。
知識や情報収集
看護師がキャリアアップするためには、業界の新しい情報や知識を得ていくことも大事です。
資格取得はハードルが高いと思う人もいらっしゃるかと思います。
現場で役に立つ情報を増やしてスキルアップしたい人は、オンラインに役立つ知識が学べるセミナーや勉強会などに参加してみるのもよいでしょう。
知識だけではなく、セミナー参加者と交流ができ現場で学ぶこと以外のあらたな発見や価値観も見つかるかもしれません。
現場でのエキスパートを目指す人にはおすすめな方法です。
資格を取得する
看護師で実務経験を積む中で、新たな専門分野を学びたい意欲も芽生えるかもしれません。
もし、目指したい資格が見つかったら資格取得に向けて勉強する必要があります。ただし看護師になった後に資格取得を目指す場合には注意も必要です。
- 資格取得の目的を明確にする
- 働きながら勉強することは現実に可能か
資格取得には時間と学校へ通う費用も発生します。
そこで問題なのが、その資格をとる目的を明確にもっていないと途中で挫折しそうになったときにモチベーション維持が難しくなります。
またライフスタイルによっては、現実的に働きながら資格を取得できるのかを考えないといけない場合もあるでしょう。
仮に働きながら学校へ通いたい場合は、定時制や夜間の学校を見つけることも必要となってきます。
まとめ
看護師は人の命を救う責任感のある大変な職業ですが、その分選べるキャリアプランが多くあるやりがいのある職業です。
看護師免許を取得することで、医療現場で活躍できる様々な資格がとれたり、医療現場のキャリアにおいても経験を積んでいくことで、後輩看護師の指導から評価など管理的な仕事を任せられることが増えていくことがわかりました。
また本記事では、看護師の目指せそうな道がわかったことで目標達成のために行うべきことも記載しました。
今はまだはっきりとした看護師としての目標は定まっていなくても、日々の生活の中で自分の興味を意識してみたり、自分にできそうなことからチャレンジしてみることをおすすめします。