「看護師になりたい理由」は、看護学生が就職活動の面接時において、必ずといってよいほど尋ねられる質問です。
しかしながら、あらためて「看護師になりたい理由」と聞かれて、明確に答えられる方もいらっしゃると思いますが中には「なりたい理由があやふやで志望動機がまとまらない」「今のままでは面接で困ってしまいそう」このような方もいらっしゃるかと思います。
そこで本記事は、一般的に多くあがる看護師になりたい理由や、就職活動の面接時における志望動機を上手く話せるコツについて紹介。
最後までご覧いただくことで、看護師になる志望動機が曖昧だった方も「ここから始めてみよう!」と前向きになれる内容になっているかと思います。
看護師になりたい理由とは?
看護師になりたい理由について一般的に多くあげられる例を7つご紹介します。
- 看護師にお世話になった体験から
- 手に職をつけて自立したいから
- 看護師という職業への憧れがあるから
- 身内や知り合いが看護師だから
- 将来性のある職業だから
- 人の役に立てる立派な職業だから
まだ、確かな看護師になりたい理由が見つかっていない方は、是非参考にしてみてください。
看護師にお世話になった体験から
お世話になった体験がある方は、過去の体験が看護師になりたい理由の原点となることも多いでしょう。
看護師にお世話になったときの体験が深く心に刻まれ、人のために役に立ちたい、看護で関わる患者の笑顔を見たい、という気持ちをお持ちの方も多くいるでしょう。
その人だけにもつ大きな強みですよね。
この先、看護師になって困難な状況に陥ったとしてもモチベーションの維持にもつながるでしょう。
手に職をつけて自立したいから
看護学が習得できる大学や専門学校等で学び終え、その後、看護師資格の国家試験に合格すれば看護師になれます。
看護師資格は、一度取得したら生涯有効な資格となります。
ライフスタイルの変化にともない名字が変わったり、本籍地が変わるなどの場合は、登録内容の変更更新が必要ですが、通常は免許の更新手続きはありせん。
また、安定している仕事でもあるので、万が一配偶者が働けなくなったり、離別することがあっても生活面で困ることも少ないでしょう。女性でも自立しやすい職業でもあります。
ただし、注意点をあげると、女性が自立しやすく給与が良さそうというイメージだけで、この職業を選んでしまうのは少し安易かもしれません。
夜勤がある職業なので、体力や忍耐力も必要だということも覚えておくとよいでしょう。
そして実務を通し、自分がより意欲的に活躍したいと思うのであれば、さまざまなキャリアプランも描ける職業です。たとえば、看護師としての経験を積みながら、認定看護師や専門看護師の資格をとり、より看護のエキスパートを目指すなどの道もあります。
大まかなキャリアプランを立てることができれば意欲的と評価され、面接時において話せる内容となるでしょう。
看護師という職業への憧れがあるから
看護師のお世話になった体験があれば強い想いのある志望動機になるかもしれませんが、看護師のお世話になること自体が多いことではありませんよね。
そして中には、テレビで見る看護師が奮闘するドキュメンタリー番組やドラマなどを見て看護師という職業に強い憧れを持つ方もいらっしゃるかもしれません。
誰もが、ドキュメンタリーなどを見て看護師になりたいと直感的に思うわけではないので、もしそのような体験がある方は大事にしたい志望動機です。
憧れは、自己体験ではありませんが、看護師に感銘した、やってみたい、興味がある、という熱意に繋がるので立派な志望動機になるでしょう。
身内や知り合いが看護師だから
身内や知り合いが看護師をやっていると働くイメージがつきやすいですよね。
働く大変なところ、やりがいのどちらとも身近な人を通して見ていると、自分が働く場合も、看護師という職業のイメージと現実のギャップも理解しやすく、その職業を覚悟の上で働くこともできます。
面接時においても、看護師という仕事を理解した上で取り組めそうな人材は心強いです。
志望動機について問われたときは、この強みを活かした内容で面接に挑むとよいでしょう。
将来性のある職業だから
看護師の仕事は、比較的将来性のある職業といってよいでしょう。
看護業界は慢性的に人手不足と言われているだけではなく、今後さらに高齢化が進むであろう日本では、看護師の需要が高まる可能性が高いと考えられます。
AIが発達して仕事が奪われると言われる職業もある中、看護師の仕事は比較的安定した職業です。
今後AIの発達により事務的な作業を任せられるようになっていけば、看護師の負担は減り、その分AIにできない患者へのきめ細かい対応、人にしかできない業務に重点をおいて業務を進めていくことにも期待できます。
人の役に立てる立派な職業だから
人の役に立ちたい、人助けが好き、人の役に立っていると感じているときに充実感を得る方もいるでしょう。
看護師の仕事は、人の命を救う仕事であり、患者を助けたことで、直接感謝してもらえるとてもやりがいのある職業です。
人と人との繋がりが密接な看護師という職業は、人の役に立つ仕事に就きたいと考える人にとって、理想的な働き方ができる職業ともいえます。
就活の面接時に上手く志望動機を話すコツ
看護師になりたい理由が見つかっただけでは、その後の就職活動において十分とは言い切れません。
就職活動の面接時において、自分の考えを上手く話すコツや、逆に面接時に気をつけるべきことを知っておくことでより有効的になりますよね。
- 収入面など経済的な話ばかりしない
- 自分の言葉で素直に話す
- 経験談を話す
以上について詳細を説明していきたいと思います。
収入面など経済的な話ばかりしない
面接時において、看護師になりたい理由として、収入面など待遇に関することを重視して答えるのは避けるべきでしょう。
表面的に看護師は高収入で安定した職業のイメージが強いですが、条件面を重視する志望動機だと面接官にも「この人は看護師という仕事に対し、覚悟が足りていないから厳しいかも」と見透かされてしまうでしょう。
現実的に給与と安定面だけでは、看護師という職業を継続するのが難しいことがあるかもしれません。
これを機に志望動機を、条件面だけではない方向からも探してみることをおすすめします。
自分の言葉で素直に話す
看護師になりたい理由がまだまとまっていないからといって、ネットやSNSなどに書いてある定型文を少し変えただけのような内容で面接に挑むのも避けたいところです。
ネットなどにある参考例文を参考にするのはよいのですが、自分の情報に少し置き換えただけの回答では熱意を感じられなく、それが面接時に伝わってしまうこともあるでしょう。
とても整った綺麗な言葉よりは、自分の言葉で思ったことや感じたことを素直に話すほうが面接官にも魅力的に伝わります。
また、正直に自身の想いを話すことで相手に誠意も伝わるでしょう。
経験談を話す
面接時においては、経験談を交えて話すことで、より面接官にも話したい内容が伝わりやすく説得力も増すでしょう。
たとえば、看護師に昔お世話になったような体験、ドラマやドキュメンタリーを見て感動した体験、実習に行ったときに感銘した体験などから思ったことを、志望動機の具体的なエピソードとして話すとよいでしょう。
そのほか、自分の強みを伝えたい場合においても、強みとして説得できるような学生時代の体験話を交えることで面接官から共感を得られます。積極的に体験談を話してみましょう。
志望動機がまとまらない場合の対処法
看護師の志望動機がまとまらない場合は、何から始めれば良いのでしょう?
- 自己分析を深くおこなう
- 看護観を改めて見直してみる
- 先輩看護師の体験談を参考にする
結論としては、志望動機を作る前に自分自身を見つめ直す自己分析が大事になるでしょう。具体的に説明していきます。
自己分析を深くおこなう
どの業界に就職する場合でも自分自身について知る自己分析をしっかりおこなうことは大事です。
看護師という職業でもっていると強みになる素質として
- チームで連携して任務をこなす協調性
- 人の命を救う仕事で重要な責任感
- 夜勤の多い職業であることから体力や忍耐力に自信があること
以上のような観点を考えてアピールできると強みとなるでしょう。自分の性格と照らしあわせて自己分析してみましょう。
また、親しい人から客観的に自分の性格についてのアドバイスをもらうこともおすすめです。自分では気が付かない部分を発見できるチャンスがあるでしょう。
看護観を改めて見直してみる
看護師は「自分はどんな看護師になりたいか」自分の理想とする看護師像の軸を考えることは重要です。
自分の看護観の軸を作るポイントとして以下があげられます。
- 看護師になる自分の目的とは
- 看護師という職業への自分が思う価値観とは
- 看護の知識を増やしたことで見つけた価値観はあるのか
- 先輩看護師の話を聞いたことで見つけた新たな価値観は
この先、実務経験を通し自身の看護観もブラッシュアップされることもあると思いますが、今できるさまざまな観点から自身の価値観を探り、自分の看護軸を立ててみましょう。
関連記事:理想の看護師像とは?看護師のあるべき姿とその実現方法
先輩看護師の体験談を参考にする
自分で自己分析したり、看護学校での学びを通しても、看護師になりたい理由がまとまらなくて困っている方は、1人で悩まず、他者の力を借りてみることを意識するとよいでしょう。
具体的には、実際に働いている人の話や意見を聞いてみることがおすすめです。病院見学やセミナーに参加して、先輩看護師の実務体験を参考に看護師になるイメージを掴みましょう。
自分がイメージしている看護師像と、実際の現場での看護師とのギャップを発見できます。
他人の力を借りることで、思考の視野も広くなることも多々あるので、少し勇気は必要ですが今後のためにも思い切って行動してみましょう。
まとめ
看護師になりたい理由は個人によって異なりますが、就職活動の面接では必ずといってよいほど尋ねられる質問でしょう。
面接対応だけではなく、看護師という責任ある職業を将来にわたって続けるためにも、改めてなぜ看護師になりたいのか、そして自身の看護にかける情熱や覚悟をもつことがとても重要です。
まだ、看護師になりたい理由がまとまらない方は、一般的な看護師になりたい理由を参考に、自分の価値観と照らし合わせたり、自分とはどのような人間なのか理解する自己分析からスタートさせるとよいでしょう。
一方、志望動機が既に明確に見つかっている方は、その志望動機を上手く活かせる方法を意識しながら就職活動を進めていくことが大事です。
皆様の今後の就職活動およびその先のご活躍を心より応援しています。