看護師の仕事は大変な面があるとされていますが、同時にやりがいと喜びも感じる職業でもあります。
そして、看護師免許を取得した先にあるのが就職活動。つまり職場である病院選びです。
就職活動は、どのような業種においても、今後の将来を左右する1つの活動で、決して容易なことではありません。
とくに、責任感が多く求められる看護師という職業においては、何に気をつけて就職活動を進めていけばよいのだろうと慎重になられている方も多いのではないかと思います。
本記事ではこれから看護師として働きたい方へ病院選びの重要ポイント5つと、就職活動の注意すべき点3つを解説。
重要ポイントが分かることで、回避したいリスクを知り、有意義な就職活動へ導くものとなっています。ぜひ最後までご覧ください。
【病院選びの決め手】5つのポイント
看護師が病院選びをする際に、何に気をつければよいのか、重要な5つの項目を参考にしてみましょう。
- 勤務体制
- 待遇や給与面
- 病院の規模や種類
- 休日や有給取得
- 教育制度
各項目について詳しく説明します。
勤務体制
看護師の働き方は、病院の勤務体制によって異なってきます。あらかじめホームページの応募情報の確認や病院見学などで勤務体制について確認しておくとよいでしょう。
そして、看護師といえば夜勤のある職業です。夜勤がある病院では、2交代制と3交代制のどちらかを採用しています。
2交代制と3交代制では実際に働いてみると生活リズムも変わってきます。両者の違いについて以下に記載しました。
2交代制 | 3交代制 |
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体力的な面で見ると、2交代制は夜勤のシフト時間が夕方から翌日の明け方までと長いことが、大変なところです。
しかしながら、給与面で比較すると、22時〜5時の勤務時間帯は深夜手当がつく時間帯で25%の割増率が労働基準法により守られています。
よって、給与面から考えると夜勤の出番が多いであろう2交代制がメリットとも言えます。
自分の体力と、収入面をどうしたいか検討しながら就職活動をすすめていくとよいでしょう。
待遇や給与面
看護師が病院を選ぶ際、働く病院の待遇、給与、福利厚生など、労働条件の全般に目を通しとくことも大事です。
以下は病院を選ぶ際のチェックしときたい待遇面についてです。
- 基本給、夜勤手当、賞与などの給与面
- 出産した場合の復帰しやすさや保育所の有無
- 職員の健康管理もできているか健康診断等の有無
- スキルやキャリアアップできる研修制度
2021年の日本看護協会による調査によると、新卒看護師の初任給は、高卒+ 3年課程(高卒後、看護師養成所などで3年間の教育を受ける)で、税込給与総額が25万9,233円。
大卒(看護教育を行っている大学)で26万7,440円となっています。給与面の参考にしてみるとよいでしょう。
そして、給与面だけではなく自身が望むキャリアアップにつながる研修制度の有無や、職員の健康を考えた心身のフォローがあるかもチェックしておきたいポイントです。
とはいえ病院に求める待遇は個人で異なりますよね。自分は何を優先に待遇面をみていきたいかも考え、就職活動をすすめていきましょう。
参考:日本看護協会の「2021年病院看護・外来看護実態調査」結果
病院の規模や種類
看護師は、働く病院の種類や規模によって将来のキャリアや働き方が異なってくることが考えられます。
そのためにもどのような種類の施設で働けるのか、病院の規模の違いで働き方の違いがあることを知る必要があります。
働ける病院の種類を大きく2つに分けると、一般病院(病床数が20床以上)と大学病院があります。両者の特徴を確認しておきましょう。
一般病院(病床数が20床以上) | 大学病院 |
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病院以外の勤務先の例として、診療所(クリニック)、訪問介護、介護施設などもあげられます。
なお、診療所とは、患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設を有するもの、という定義があり、主に身近にあるクリニックのことを指します。
規則正しい生活を送りたい方は、夜勤のない日勤のみの職場を選んでみるのもよいでしょう。
休日や有給取得
看護師は、患者の命に係わる重要な役割を果たす職業です。
看護師である本人もしっかり体を休める職場環境は大事ですよね。以下のような休日や休暇の有無や、職員の休暇取得状況も知っておくとよいでしょう。
- 職場の有給消化率
- 年間休日数の確認
- 産休や育休状況
- 介護休暇
また、このような休暇をしっかりととれることで、職場内の人間関係も良好な傾向であることは看護業界に限らず言えることです。
逆に慢性的に人手不足な病院は、休みもとりにくく院内の人間関係も殺伐とした雰囲気になりがちです。
休暇状況も職場の求人情報や説明会等で確認してみましょう。
教育制度
看護師として長く働きたい場合、自分がどのような看護師として成長したいか、自分のキャリアプランや目標を持てる病院で働けるかも大事なポイントです。
以下は病院の教育制度でチェックしておきたい項目です。
- キャリアアップサポートはあるのか
- 新人研修だけではなく継続的な教育サポート体制はあるのか
- 専門看護師試験などの資格取得支援制度はあるか
- 研修や勉強会などの教育は充実しているか
- 中途職員への教育も行き届いているのか
また、就職先の教育制度や教育環境だけでなく、看護師として成長するためには本人の学習意欲や、常に新しい知識や技術を学び続けることが必要です。
そして、病院によって研修制度やフォロー体制も異なります。自分の希望とマッチしている教育体制はあるのか情報収集を積極的におこないましょう。
【就職活動で失敗しない病院選び】3つの注意ポイント
看護業界への就職活動ではどのようなポイントで病院を選べばいいか、だけではなくどのような活動をしたらよいのかも注意して意識したい所です。
具体的には以下のようなことを意識しながら就職活動を進めるとよいでしょう。
- 将来のライフイベントを意識する
- 就職活動の情報収集を怠らない
- 病院見学やインターンへ参加する
それぞれについて説明したいと思います。
将来のライフイベントを意識する
結婚、出産、転居の異動などの将来のライフプランを想像しつつ、看護師としての働き方を考えた就職活動も意識するとよいでしょう。
将来、ライフイベントがあることで職場のサポートが必要になるかもしれません。
たとえば、出産の際は、育休の取得、子どもが幼いうちは時短勤務が可能であったり、保育所が用意されている職場であると働きやすい環境ですよね。
働く前に病院見学などへ行き、先輩看護師の勤務実態を質問してみるとよいかもしれません。
また、看護師たちの勤務年数に注目してみるのもよいでしょう。勤務年数が長い方が多いと、職場の雰囲気もよく働きやすい環境であることも想像できますよね。
就職活動の情報収集を怠らない
就職活動において数多く情報収集することで、自身の思いとマッチする可能性が増えるため、情報収集は怠らないことが大事です。
日常でできる情報収集の手段としては、就職情報サイトや、看護師向けの専門誌で情報や口コミを知る方法があります。
ほかにも、人材紹介会社に登録することでも就職情報は得られます。
専門のアドバイザーが希望条件に合った求人を紹介してくれる場合や、有益な就職情報を得ることが可能となるでしょう。
病院見学やインターンへ参加する
事前に病院見学、インターンに参加することは、自身の目で現場を知れるチャンスなので積極的におこないましょう。
自分がイメージする現場と、実際の現場の状況はギャップがあって当然です。
現場を知るためにも、先輩看護師に職場についての疑問を質問してみたり、職場内の職員の雰囲気や、清潔な施設であるかなどを観察してみましょう。
確かめることで、自身とマッチしている病院なのか確認ができ、実際に働いてからの現実とのギャップも減る可能性が高まりますよね。
まとめ
看護師として働きたい人が病院選びを選ぶ際に重視すべきポイントや、意識したい注意点について解説しました。
看護業種に限らず就職活動は容易なことではありません。とはいえ情報収集を怠ったり、なんとなく進めた就職活動だと、いざ入社したときに職場へ大きなギャップを感じるかもしれません。
自身とマッチする病院を選ぶためには、今回ご紹介した病院選びのポイントを参考にし、優先順位を考えることが大事です。
また、看護情報サイト、病院見学、インターンへ参加を通じて多く情報収集することで将来の職場へのギャップも回避できるでしょう。
こうした努力により、自身とマッチする病院を見つける可能性が高まります。納得のいく就職活動を進めていくために、ぜひ積極的に挑戦してみましょう。